鯉のぼりは5月5日の「こどもの日」に空高く泳ぐ日本の伝統的な飾り物です。家族の幸せや男の子の健やかな成長を願って飾られる鯉のぼりには、それぞれの部分や色に意味が込められています。
この記事では、鯉のぼりの各部の名称や種類、色の意味について詳しく解説します。
鯉のぼりとは
鯉のぼりは「男の子の誕生と健やかな成長、出世を祈願するための飾り」です。その歴史は古く、平安時代から「のぼり」と呼ばれる旗の文化が日本に根付いていました。
戦の際に家紋や軍旗を掲げたのが起源とされ、江戸時代に現在の鯉のぼりの形が整いました。
現代では庭先だけでなく、マンションのベランダや室内に飾るスタイルも一般的です。
鯉のぼりの各部の名称と役割
1. 回転球(かいてんきゅう)
鯉のぼりの最上部に取り付けられる丸い飾り。金色や銀色で輝き、「男の子がいる家」を象徴すると同時に、神様への目印とされています。
2. 矢車(やぐるま)
回転球の下に取り付けられる風車のような装飾。風を受けて音を立てることで魔除けの役割を果たします。武士の持つ矢をモチーフにしたもので、力強さと守護を象徴しています。
3. 吹き流し
鯉のぼりの一番上に設置される長い布。五色(青、赤、黄、白、黒)の模様が特徴的で、魔除けや神様への祈りを表しています。
鯉のぼりの種類と色の意味
鯉のぼりには主に3匹の鯉が使われ、それぞれに家族を象徴する意味が込められています。
- 真鯉(まごい)
黒い鯉で家の「お父さん」を表します。黒は「大黒柱」として家族を支える力強さを象徴しています。 - 緋鯉(ひごい)
赤い鯉で家の「お母さん」を表します。赤は生命力や温かさを表現し、家族の中心的な存在を象徴します。 - 青い鯉
青い鯉は子どもを表します。青は若さや成長を意味し、家族の未来を担う存在として描かれています。
子どもの人数に応じて緑や紫、ピンクなどの色が加えられることもあります。
吹き流しの五色の意味
吹き流しに使われる五色の布は、古代中国の五行思想(木・火・土・金・水)に基づいています。
色 | 元素 | 意味 |
---|---|---|
青(緑) | 木 | 成長と繁栄 |
赤 | 火 | 情熱と生命力 |
黄 | 土 | 安定と調和 |
白 | 金 | 純潔と清浄 |
黒(紫) | 水 | 知恵と深遠 |
五色の布が揃うことで、魔除けの効果を高め、神様に目立つようにする意味もあります。
鯉のぼりの飾り方と種類
鯉のぼりは設置場所や家庭環境によってさまざまな飾り方があります。以下はその代表的なタイプです。
- 庭先にポールを立てるタイプ
広い庭を持つ家庭で使用される伝統的なスタイルです。大型で迫力があり、費用は2万円~100万円ほどと幅広いですが、10万円前後が一般的な相場です。 - ベランダ用スタンドタイプ
スタンドを設置し、鯉のぼりを立てる方式。中サイズが主流で、価格帯は2万円~20万円程度です。 - 室内飾りタイプ
吸盤や天井から吊るすもの、小型のスタンドを使ったものなど、室内に飾るタイプです。価格は3000円~3万円程度で手軽に楽しめます。
鯉のぼりを飾る意義
現代の住宅事情では大きな鯉のぼりを飾るのが難しい家庭も増えていますが、小さな鯉のぼりにも同じように願いが込められています。
大空を泳ぐ鯉のぼりには、家族の幸せと子どもの成長を願う日本人の心が表現されています。
まとめ
鯉のぼりには、それぞれの部分や色に深い意味があり、家族の絆や子どもの成長を祈る象徴として日本文化に根付いています。
設置方法やサイズは家庭によって異なりますが、どのスタイルでも込められた思いは変わりません。今年のこどもの日には、ぜひ家族で鯉のぼりを飾り、その意味を共有してみてはいかがでしょうか?