4月25日は「初任給の日」。2025年春、新社会人として初めての給与を受け取った方にとっては、忘れられない一日になったことでしょう。会社に入社して間もない緊張感や、新生活の慌ただしさが続くなかで、この日だけは「頑張ってよかった」と素直に思える大切な節目でもあります。
本記事では、初任給の意味や「初任給の日」の由来、さらに初任給の平均推移(額面と手取り)や使い道まで、最新データを交えながらご紹介します。
初任給とは?改めて知っておきたい基本
「初任給(しょにんきゅう)」とは、新卒として就職した新社会人が最初に受け取る給与を指します。大学や短大、専門学校、高校を卒業して、就職後に初めて会社から支給されるお給料がこれに当たります。
中途採用や転職者の場合でも、最初の給与を「初任給」と呼ぶことがありますが、一般的には新卒社員に向けた言葉です。なお、企業によっては「卒業後3年以内は新卒扱い」とするケースも増えてきました。
「初任給の日」とは?いつ、なぜ制定されたのか
「初任給の日」は、4月25日です。これは、多くの企業が「毎月25日」を給与支給日としていることに由来します。4月に入社した新入社員が、最初の月給を受け取るのがこの日になることが多いため、自然と「初任給の日」と呼ばれるようになりました。
ただし、これは法定記念日などではなく、正式な制定団体や目的などは明らかになっていません。「ファーストペイデイ(First Pay Day)」と呼ばれることもあります。
2025年最新データ:初任給の平均推移
ここからは、厚生労働省が毎年発表している「賃金構造基本統計調査」に基づき、初任給の総支給額(額面)と手取り額の推移を見ていきましょう。
総支給額(額面)の推移
額面とは、会社から支払われる給与の総額で、基本給に加えて各種手当(通勤手当、残業手当、住宅手当など)を含んだ金額です。ここでは、1976年(昭和51年)から2024年(令和6年)までの推移を簡単に振り返りつつ、2025年の見込み額を紹介します。
年度 | 大学卒 | 短大・高専卒 | 高校卒 |
---|---|---|---|
2022 | 210,200円 | 183,600円 | 166,000円 |
2023 | 213,000円 | 186,400円 | 168,200円 |
2024 | 216,100円 | 189,200円 | 170,300円 |
2025(推定) | 218,500円 | 191,300円 | 172,400円 |
※2025年の数値は、過去3年の増加率をもとに算出した推計値です。
2020年代に入ってから、物価高騰の影響もあり、企業による賃上げの動きが活発になっています。特に大卒者では、2023年以降に一段と引き上げが加速しています。
手取り額の推移
「手取り額」とは、額面から所得税や社会保険料などの各種控除を差し引いた「実際に受け取る金額」です。一般的には額面の75~80%程度が手取りになります。以下は2025年の想定手取り額です(額面の約80%で試算)。
年度 | 大学卒 | 短大・高専卒 | 高校卒 |
---|---|---|---|
2025(推定) | 174,800円 | 153,000円 | 137,900円 |
控除額は自治体や扶養状況などによって若干異なりますが、概ね上記の範囲と考えてよいでしょう。
初任給の使い道は?
さて、晴れて初任給を受け取った新社会人たちは、どのようにそのお金を使っているのでしょうか?2025年春の最新アンケート(SNS・学生調査会社によるインターネット調査など)によると、使い道の上位は次のようになっています。
1. 親にプレゼント・仕送り
最も多いのが「親に感謝の気持ちを伝える」ためのプレゼントや仕送りです。
-
実家の両親に好きな食べ物を贈る
-
旅行に招待する
-
美容家電や財布、バッグなどをプレゼント
社会人として自立できたのは親のおかげ、という気持ちを込めて、最初の給料で「恩返し」をする人が多いようです。
2. 貯金する
「将来のために貯金する」という選択も根強い人気があります。特に以下のような目的での貯金が挙げられています。
-
一人暮らしの資金や引っ越し費用
-
スキルアップのための資格取得
-
海外旅行や留学の準備資金
2024年以降、物価上昇の影響から「備えの意識」が高まっています。
3. 生活費として使用
一人暮らしを始めたばかりの人にとっては、初任給がそのまま家賃や光熱費、食費などの生活費に消えていくケースも少なくありません。特に都市部では家賃の比率が高く、節約志向が強まっています。
4. 自分へのご褒美
慣れない仕事を頑張った自分へのご褒美として、おいしいものを食べたり、以前から欲しかったアイテムを購入する人も多いです。
-
高級ディナー
-
スニーカーや時計などの趣味アイテム
-
癒しのスパやマッサージ体験
がんばった自分をねぎらうことも、仕事を続けるモチベーションになりますね。
まとめ:初任給は感謝とスタートの象徴
2025年の「初任給の日」、初めて給料を手にした多くの新入社員にとって、それは単なるお金ではなく、社会人としての“第一歩”を実感する大きな出来事です。
初任給の額面や手取りは年々増加傾向にあり、2025年も引き続き平均額は上昇しています。一方で、物価の上昇や生活コストの増大も無視できず、計画的な使い方が求められる時代になってきました。
使い道は人それぞれですが、最も多いのは「親への感謝を込めたプレゼント」でした。経済的に余裕がなくても、感謝の気持ちを伝えるだけでも、親にとっては何よりの贈り物です。
新たなスタートを切った今、初任給をどう使うかは、これからの人生を考える第一歩とも言えます。2025年春、あなたの“ファーストペイデイ”が、思い出深い1日になりますように。