トイレットペーパーの三角折りが不衛生な理由とその対策

生活

トイレットペーパーの三角折り、誰しも一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。学校や職場で掃除の一環として教えられることもあり、ホテルや飲食店のトイレでも見かけることが多いです。

この三角折りにはどんな意味があるのでしょうか?また、衛生面ではどうなのでしょうか。

今回は、三角折りの意味や由来、そして三角折りを行うべきか否かについて解説します。


トイレットペーパーの三角折りの由来と意味

日本では、トイレットペーパーの三角折りは帝国ホテルで初めて導入されたとされています。客室を清掃するスタッフが、掃除の完了を知らせるための「清掃完了サイン」として三角折りを始めたことがきっかけです。

三角折りされたトイレットペーパーは、従業員やお客様に清掃が完了していることをわかりやすく示し、トイレ全体が清潔である印象を与える効果もありました。

このように、三角折りはプロの清掃員が手を清潔にした状態で行うことで、施設の清潔さと美しさを保つための象徴的な仕草となっているのです。


三角折りを一般の人が行う際の問題点

一方、一般の人がトイレ使用後に三角折りをすることは衛生的に問題があると考えられています。例えば、病原性大腸菌やノロウィルスなどに感染している人が手を洗わずに三角折りをすると、次に使用する人へと感染が広がる可能性があります。

医学博士の青木皐さんの著書『ここがおかしい菌の常識』によれば、トイレットペーパーを36枚重ねてようやく手からの大腸菌が検出されなくなるとのことです。つまり、薄い一枚のトイレットペーパー越しに菌が付着しやすいことがわかります。

トイレットペーパーの三角折りは一見親切に思えますが、手洗いが不十分な状態で行われると、かえって衛生的なリスクを引き起こす可能性があるのです。


衛生管理の観点から三角折りを控えるべきケース

医療機関など、衛生管理が厳格に求められる場所では、トイレットペーパーの三角折りを禁止するケースもあります。

例えば、病院では感染症拡大のリスクが高いため、利用者への案内として「トイレットペーパーの三角折りはご遠慮ください」と掲示するところもあります。このように、衛生上の理由から三角折りを避けることが推奨されています。


トイレットペーパーの扱い方と代替案

三角折りの代わりに、次の人が使いやすい状態でトイレットペーパーを残すには、以下の方法が推奨されます。

  • ミシン目で切る:トイレットペーパーのミシン目で切ってからホルダーに戻すと、次の人が端を簡単に取り出せます。
  • ホルダーで切る:ホルダーを使ってトイレットペーパーを切ることで、次の人が紙の端に直接触れることなく使いやすくなります。

これにより、次の利用者が清潔な状態でトイレットペーパーを使えるため、三角折りよりも衛生的です。


三角折りの賛否

三角折りについての意見には賛否両論があります。以下に代表的な意見をまとめてみました。

肯定的な意見

  • 清掃が行き届いている印象を与える
  • 見た目が整っている
  • 紙の端がわかりやすく、取り出しやすい

否定的な意見

  • 三角折りをした人の手が清潔であるか不安
  • 感染症拡大のリスクがある
  • 他人が触れた可能性のあるトイレットペーパーは不快

このように、見た目や利便性を重視する意見と、衛生面での不安を抱える意見が存在します。特に、公共の場や家庭以外のトイレでは衛生リスクを考え、三角折りはプロの清掃員が行うべきという意見が多く見られます。


まとめ

トイレットペーパーの三角折りは、日本では帝国ホテルが発祥とされ、「清掃完了のサイン」として始まりました。

プロの清掃員が清潔な状態で行うことで、施設の清潔さと美しさを象徴するサインとして効果的ですが、一般の人が行う場合は衛生的に問題があります。

特に、感染症リスクがある環境では、三角折りは控えるべきでしょう。三角折りをしない代わりに、トイレットペーパーをミシン目で切るなどの方法で次の人が清潔に使える状態を保つことが推奨されます。清潔さを保ちながら、利用者が快適に使用できる工夫をすることが重要です。

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