赤ちゃんが誕生すると、さまざまな行事が行われます。その中でも「お食い初め」は、赤ちゃんの健やかな成長を願う重要な儀式の一つです。
この儀式では、赤ちゃんが一生食べ物に困らないようにと願いを込めて食事を提供します。今回は、お食い初めの行事食について、実際の体験を基にご紹介します。
お食い初めはいつ行うのか?
お食い初めは、赤ちゃんが生後100日前後に行うのが一般的です。地域によっては110日や120日に行う場合もありますが、100日を目安にすると良いでしょう。
儀式の日程は、赤ちゃんの体調に合わせて柔軟に設定できるため、厳密にこだわる必要はありません。祖父母や親戚に地域の慣習を聞くのも良い方法です。
お食い初めのメニュー
お食い初めの料理は、赤ちゃん自身が食べるわけではなく、大人が用意する和食の祝い膳です。伝統的には一汁三菜の形式で用意します。最低限揃えたいメニューは以下の通りです。
- 赤飯:小豆の赤色には邪気を払う力があるとされ、祝い事に欠かせない料理です。
- 焼き物:鯛の姿焼きが一般的で、「めでたい」に通じる縁起物です。
- 煮物:縁起の良い食材を使います。レンコン(見通しが良くなる)、里芋(子宝と繁栄)、昆布(喜びが多い)、エビ(長寿を願う)など。
- 香の物:漬物が一般的ですが、酢の物なども良いでしょう。
- お吸い物:ハマグリや鯛のお吸い物が定番で、ハマグリは夫婦円満を象徴します。
手作りの工夫
私の孫のお食い初めでは、地域で「鯛ソーメン」が祝い料理として親しまれていたため、これを取り入れました。
鯛の塩焼きを乗せた冷たいぶっかけソーメンにし、暑い日にもぴったりな一品でした。出汁はかつおと昆布でしっかり取って、濃い味のおつゆを冷やしていただきました。
食器の選び方
お食い初めの食器は漆器が伝統的です。男の子は朱塗り、女の子は外側が黒塗りで内側が朱塗りの器を使います。脚付きの膳に5つの器を並べ、食事を配膳します。
ベビー用食器を使っても問題ありませんが、1回しか使わないため、実用的なものを選ぶと良いでしょう。例えば、ベビー用品店で売られている落としても割れない食器は、長く使える点でおすすめです。
歯固めの石
お食い初めには、「歯固め石」も用意します。丈夫な歯が生えてくるようにと願い、神社で頂いた石や河原で拾った石を使います。
もし神社で石を頂けなかった場合でも、河原で見つけたきれいな石を使えば問題ありません。
仕出し料理という選択肢
お母さんが忙しかったり、料理の準備が難しい場合は、仕出し料理を注文するのも一つの方法です。仕出し料理は、食器も揃っているため準備の手間を省けます。
赤ちゃんのお世話をしながら行事の準備をするのは大変なので、少し費用がかかっても負担を軽減する選択肢として検討してみましょう。
自宅での儀式
お食い初めは、必ずしも盛大に行う必要はありません。私たちは家族だけで夕食をお祝い膳にし、ささやかにお食い初めの儀式を行いました。
まだ離乳食が始まっていない赤ちゃんの場合、実際に食べることはできませんが、食べるふりをするだけでも十分に意味があります。
食物アレルギーの心配がある時期なので、無理に口に入れる必要はありません。
まとめ
お食い初めは、赤ちゃんの健やかな成長を願う大切な行事です。生後100日頃に行うのが一般的で、赤ちゃんに食べ物を食べさせるわけではなく、和食の祝い膳を用意することで心を込めて祝います。
自宅で簡単に行えるこの行事を、家族みんなで楽しみながら赤ちゃんの未来を願うひとときにしてみてはいかがでしょうか。