大切な人に気持ちを伝えるバレンタインデーは、いつから始まったのでしょうか? その歴史や由来、そして海外のバレンタイン事情について詳しくご紹介します。
バレンタインデーの由来
バレンタインデーの由来には諸説ありますが、広く知られているのが「聖バレンタインの記念日」という説です。
3世紀のローマ帝国では、皇帝クラウディウス2世が兵士の結婚を禁じていました。戦争に専念させるためという理由でしたが、キリスト教司祭のバレンティヌスはこの政策に反対し、秘密裏に兵士たちを結婚させていました。
その行動が皇帝の耳に入り、バレンティヌスは処刑されてしまいます。
人々は彼の勇気ある行動を讃え、バレンティヌスが殉教した2月14日を「Saint Valentine’s Day(聖バレンタインの日)」とし、お祈りを捧げるようになりました。これがバレンタインデーの始まりだとされています。
日本におけるバレンタインの広まり
日本でバレンタインデーが初めて紹介されたのは1930年代です。神戸のチョコレート会社が新聞広告で「バレンタインデーには愛する人にチョコレートを贈ろう」と宣伝したのがきっかけでした。
しかし、すぐには広まらず、1960年代になるとチョコレートメーカーが積極的にキャンペーンを展開したことで全国的に定着しました。現在では、恋人や友達、職場の人にまでチョコレートを贈る文化が根付いています。
日本独自の「チョコレート文化」
バレンタインデーに女性から男性へチョコレートを贈るという文化は、日本独自のものです。最近では、恋人だけでなく友達に贈る「友チョコ」や、自分へのご褒美として買う「自分チョコ」など、チョコレートの楽しみ方も多様化しています。
では、海外ではどのようにバレンタインデーを祝うのでしょうか?
各国のバレンタイン文化
アメリカ
アメリカでは、男性が女性にプレゼントを贈るのが一般的です。義理チョコの文化はなく、恋人や夫婦間で花束やメッセージカード、ジュエリーなどを贈ります。特に赤いバラが人気のプレゼントとなっています。
イタリア
イタリアでは、バレンタインデーは「恋人の日」として特別な日とされています。夫婦や恋人同士がロマンチックな時間を過ごし、花束やジュエリー、特別なディナーを用意することが一般的です。
イギリス
イギリスでもバレンタインデーにはチョコレートや花束、カードを贈る文化があります。男性が女性に贈ることが多く、有名なチョコレートメーカー「キャドバリー社」が販売したチョコレートボックスがバレンタイン文化を広めたともいわれています。
フランス
フランスでは、恋人同士が愛を確かめ合う日として大切にされています。花束や香水、ランジェリーなどを贈るのが一般的で、特別なデートを楽しむカップルも多いです。
韓国
韓国のバレンタインデーは日本と似ており、女性が男性にチョコレートを贈るのが主流です。また、義理チョコ文化もあり、職場の同僚や上司にもプレゼントをする習慣があります。
バレンタインのお返し文化「ホワイトデー」
バレンタインデーのお返しとして3月14日に祝われる「ホワイトデー」は、日本独自のイベントです。
その起源には諸説ありますが、不二家が「リターン・バレンタイン」というキャンペーンを始めたことがきっかけだとされています。その後、お菓子メーカーのエイワがキャンディやマシュマロを贈る「メルシーバレンタインキャンペーン」を展開し、ホワイトデーの文化が定着しました。
アジアのホワイトデー文化
海外ではバレンタインデーにお互いプレゼントを贈り合うため、「お返し」という文化はありません。
しかし、日本の影響を受けた中国や韓国ではホワイトデーが存在し、バレンタインデーのお返しとしてキャンディやチョコレートを贈る習慣があります。
特に韓国では、3月14日にはホワイトデー仕様のギフトが売られ、多くの人がプレゼントを贈ります。また、4月14日には「ブラックデー」と呼ばれるイベントがあり、バレンタインやホワイトデーでプレゼントをもらえなかった人たちが黒い韓国式ジャージャー麺を食べる風習もあります。
まとめ
バレンタインデーは、聖バレンタインの殉教を起源とする歴史あるイベントです。日本では独自のチョコレート文化が生まれ、さらにホワイトデーという独特な風習が定着しました。
海外では、男性から女性へプレゼントを贈る文化が多く、国によって贈るものや祝うスタイルも異なります。日本のバレンタイン文化も年々変化しており、カップルだけでなく友人同士や家族間でも楽しめるイベントになっています。
今年のバレンタインデーは、改めて愛や感謝を伝える日として、特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?